自転車の違法運転と事故時の損害賠償について
きちんと取り締まりをしているのか疑問に思うほど自転車の違法運転が多く見られます。
まともに自転車に乗っているのは小、中、高の女の子達で、大人や年配女性ほとんど違法運転をしています。
違法だと認識してない人達が多いのでしょうか?それとも解っていて違法運転してるのでしょうか?
恐らく信号無視以外は知らないで違反してるのではないかと思います。
自転車の交通ルールは学校と家庭で教わるのが普通ですが、学校はともかく、家庭の場合は教える親が理解していないケースが多いと思います。
以前も自転車の交通ルールについて記事を書きましたが、自転車に乗る人にとって交通ルールに触れる機会が少なすぎるのもひとつの原因かと思います。
もっとテレビなどのメディアを使って周知して欲しいものです。
<もくじ>
やりがちな自転車の交通違反
信号無視は本人の守る意識だと思うので、無視する人達は違反と知っていてやっています。やりがちな違反ではないでしょう。
一時停止違反
住宅街の路地でよく見かけるのが一時停止しないで横断したり飛び出してくる、ほぼ当たり屋のような存在。
中でも大きな通りに出る際もノールックで飛び出し右左折していく人たち
仕事で毎日運転していると必ず1日に一回以上は出没します。
道路は自動車が走っていて危険だということを知らないのでしょう⁉️
車が来ていてもあえて見ないで、「事故に遭っても車が悪い」とでも言いたげな顔をしてるオジサンとオバサン。たしかに自動車の前方不注意になるでしょうが、突然の飛び出しに対して避けようとハンドルを切って自損事故になり、運転手が怪我を負った場合、自転車の過失も発生します。
通行区分違反
自転車は原則車道を通行しなければなりません。車道を通行する場合は車道の左側を通行しなければなりません。(歩道は例外です)
標識やその他の理由で歩道を通行していい場合があります。
- 歩道に「自転車通行可」の道路標識などがある場合。
- 歩道に「普通自転車通行指定部分」の道路標示がある場合。
- 運転者が13歳未満又は70歳以上、または身体の障害を有する者である場合。
- 歩道を通行することが「やむを得ない*1」と認められる場合。
歩道を通行する場合は以下のこと守らなければなりません。
- 歩道の中央から車道寄りの部分を通行する。
- いつでも止まれるように徐行する。
- 歩行者の通行を妨げるようなときは、一時停止する。
我が物顔で歩道を通行し、歩行者にベルを鳴らしながら通行するのはやめましょう!
ちなみに、むやみにベルを鳴らすのも道交法違反になります。道交法内54条第2項で
「車両等の運転者は、法令の規定により警音器を鳴らさなければならないこととされている場合を除き、警音器を鳴らしてはならない。ただし、危険を防止するためやむを得ないときは、この限りではない」と定められています。この危険を防止するために前方の歩行者が邪魔なのでベルを鳴らして避けさせる、これは危険を防止するためやむを得ないに該当しません。歩道上の自転車は歩行者優先で、危険な時は一時停止しなければなりません。
逆走
そもそも自転車に乗っている人は逆走の意識をしているのだろうか?
素人考えでも逆走は危険であるとわかるのですが、実際に自転車に乗ってる人はどうでしょう?私が自転車に乗っていた時のこと(30年以上前)ですが、「自分最強!」「自分が良ければいい!」こんな感じで乗っていたかもしれません。
昔から自転車は軽車両なので自動車と同じく車道の左側を通行しなければなりませんが、私が自転車の乗り始めたのは4~5歳のころだったと思います。当時から歩道を走るように教えられ、小学生の頃にお巡りさんが学校の体育館で自転車教習をしてくれましたが、その時も歩道を走るように教わりました。
なので大人になっても歩道を走る癖がついていたんだと思います。
きっとみなさんも歩道を走るように教えられてきたはずです。だから大人の自転車乗りは逆走の認識が無く、縦横無尽にどこでも近道で走ろうとするのだと思います。
しかし、この歩道を通行するお巡りさんの指導は年齢指定があったのです。
先ほど説明した通行区分違反のところで「標識やその他の理由で歩道を通行していい場合があります。」と紹介した部分の
運転者が13歳未満又は70歳以上、または身体の障害を有する者である場合。
これが皆さんを混乱させている部分です。
子供の頃は歩道を走るように教えられたのは、このことがあるからです。
「中学生からは車道の左側を走りなさい!」 「やむを得ず歩道を走る場合は車道側を走りなさい!」なんて言われていても覚えてないですよね。
逆走なんて全く意識しないはずです。
自転車は原則として車道の左側通行をしなければならず、一方通行も逆走できません!
ながらスマホ
スマートホン片手に自転車に乗ってる人をたまに見かけますがヤバイです。
毎年ながらスマホでの事故は50件以上発生しており、増加傾向にあります。
運転中のスマホ所持は「道交法第70条*2 安全運転の義務」に違反しており
3年以下の懲役又は5万円以下の罰金に該当します。
それだけで済めばいいのですが、もし歩行者に接触し、怪我をさせてしまった場合が大変です。重過失致死罪となれば5年以下の懲役又は100万円以下の罰金となってしまいます。しかもそれだけではありません、損害賠償が発生するのです。損害賠償額は事例によって異なりますが、障害を負ったり、死亡した場合は数千万の判例が多々あります。「自転車損害賠償保険」に入っていれば大丈夫だろう?なんて考えてませんか?
ながらスマホの場合、もし保険会社側に重大な過失と判断されれば保険は適用外になってしまいます。数千万円の賠償金、あなたは払えますか?
ながらスマホもそうですが、イヤホンも同じで、安全確認が十分にできない可能性があることから、イヤホンをしたまま事故を起こすと安全運転義務違反となり賠償金も高くなることがあります。
傘さし運転
雨の日に傘をさしながら自転車にのって通学してる人や買い物に出かけている人を見かけますが大変危険です!
「透明のビニール傘だから前も見えるし、自転車は慣れてるから大丈夫!」
「今日は風もないし、雨も強くないから平気だよ!」
なんて思って自転車に乗ってませんか?
突風でバランスが崩れたり、危険回避のブレーキが正常に使用できません!
立派な道交法違反なんですよ(;一_一)
やっぱり安全運転義務違反に該当します。
東京都では以下のように定められています
道交法第71条6号
「傘を差したり、物を担ぎ、物を持つ等視野を妨げ、又は安定を失うおそれのある方法で、大型自動二輪車、普通自動二輪車、原動機付自転車又は自転車を運転しないこと。」
違反者は5万円以下の罰金に処せられます。
片手運転やながら運転は運転手も危険ですが、歩行者も危険にさらされます。
慣れてるから大丈夫なんて決して考えずに、カッパを着用したり自転車を諦めるようにしましょう。
飲酒運転
これは言語道断!100%あってはなりません。
理由がわからない人はいないと思いますが、飲酒運転は自動車だけではなく、すべての運転手に適用されます。
道交法第65条第1項(何人も酒気を帯びて車両等を運転してはならない)
何人とは、運転免許を取得している人以外もすべての人は飲酒運転を禁じられています。【5年以下の懲役、または100万円以下の罰金】
一般的に自転車と自動車の事故は自動車側に過失割合が高くなりますが、自転車が赤信号で交差点に進入し、自動車と接触事故を起こした場合、通常の過失割合は自転車80%、自動車20%となります。飲酒の場合はさらに10~20%加算されます。
いずれにしても飲酒運転の事故は自転車損害賠償保険も適用外となり、莫大な賠償を背負うことになります。
お酒を飲む可能性がある場合は、公共交通機関を利用するか歩きましょう!
自転車事故高額賠償事例
●【神戸地裁:2013年7月4日判決】 賠償額9521万円
小学生が夜間、帰宅途中に自転車で走行中、歩道と車道の区別のない道路において、歩行中の女性と正面衝突。女性は頭蓋骨骨折等の傷害を負い、意識が戻らない状態となった。
●【東京地裁:2008年6月5日判決】 賠償額9266万円
高校生が昼間、自転車横断帯のかなり手前の歩道から車道を斜めに横断し、対向車線を自転車で直進してきた男性会社員(24歳)と衝突。男性会社員に言語機能の重大な障害が残った。
●【東京地裁:2007 年 4 月】 賠償額5438万円
成人男性が昼間、信号表示を無視して高速度で交差点に進入、青信号で横断歩道を横断中の女性(55 歳)と 衝突し、女性は頭蓋内損傷等で 11 日後に死亡した。
●【名古屋地裁:2002 年9月】 賠償金3124万円
男子中学生が夜間無灯火で自転車を走行中、対面歩行の女性(75 歳)と衝突し、女性には重大な障害(後遺障害2級)が残った。
いずれも高額でなかなか支払いをするのは難しいと思います。
もし、自己破産したとしても税金や賠償金は免責されませんので生涯返済しきれない借金を背負うことになります。
まとめ
自転車はちょっとした外出・通勤・通学・買い物をするのに大変便利です。
気を付けていても事故に巻き込まれることもありますし、加害者になることもあります。
自転車損害賠償保険は関東・関西を中心に義務化が進んでいます。もし他人を傷付けたり、駐車してる車にぶつかり破損した場合、高額な賠償が発生することもあります。
また、子供が自転車でお年寄りに接触し死亡させてしまうケースもあります。
自転車損害賠償保険は年間3000円前後(月250円ほど)なので自転車に乗る場合は加入しておくと安心です。
自分が中心の乗り方ではなく、ルールを守って正しく利用しましょう!
おすすめ自転車保険
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この他に「本人型」「子供コース」「夫婦型」でも、充実・標準・節約とあるので状況に合わせて加入しましょう。
楽天の保険は自転車事故のみではなく、日常生活における事故全般を最大1億円まで補償されます。上記の高額賠償事例を見ても1億円近い賠償判決がありますので万一に備えておきましょう。
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